その十七 解の公式の話

 以前は中3で二次方程式の解の公式を学んだ.現在は高1で習う.二次方程式の解法は手始めに平方根を使う方法と因数分解を使う方法とを学ぶが,二次方程式の解の公式は因数分解できようができまいが力技ですべて解いてしまう乱暴だが画期的な公式だ.

二次方程式の解を求めよう.
与式の両辺をaで割り

とする.左辺を平方完成し

とし,あまりの部分をまとめて移項すると

となる.両辺の平方根を考えると

となり,

を得る.これが二次方程式の解の公式.


 中2の頃には自力でこの公式の導出をやってたような気がする.二次方程式は克服した.そうなると「次は三次方程式だ」と考えたのがその頃のアホな私.しかし考えども考えども公式には至りそうにない.中学校の時の数学教師に解の公式の導出法を教えてもらって有頂天になって式変形を理解したがその必然性が思い浮かばない.はてさてこの変形はどうしたものか・・・.

三次方程式の解を求めよう.
まず与式の両辺をaで割り

とする.各係数をと置き換え,方程式を

としておく.さらにとおき方程式を作りかえると

となり,展開して整理すると

となる.さらに各係数をと置き換えるとこの方程式は
 ・・・(A)
となって二次の項のないものとなる.この方程式の解が見つかればそれを用いて元の方程式の解を作ることもできる.
 ここで,次のような三次式の因数分解を用いる.

この式は1の虚立方根を用いてさらに因数分解でき,

とすることができる.このことから

というsの三次方程式の三つの解は

とすることができるのである.これを(A)式に適用して解の公式を作るのである.
(A)において,とできればいいので,このようになるtupqとで作ることを考える.
であることからzについての方程式の二つの解であるといえる. したがって

となり,

が求まる.これにより(A)の方程式の解は

となる.あとは置き換えた文字を元に戻せば最初の方程式の解の公式の出来上がりとなる.

 高校で習う因数分解のうちただひとつ異質な三次式の因数分解がこんなところに活用できるというのがちょっと興味深いところだ.


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