その二十三 小ネタ・2003年東大前期理系第6問

 2003年の東大前期理系第6問ほど有名になった大学入試問題も少なかろう.
問題は以下のとおりである.

円周率が3.05より大きいことを証明せよ.

 たったこれだけである.入試問題で値を評価させる問題はたまに見られ,東大でも1999年に23-01を示せ,といった問題を出しているが,インパクトとしては2003-06のほうが大きいだろう.
 さて,この問題の解法だがたいていの書籍では半径が1の円に内接する正8角形または正12角形の周長で解説されており,その方法が理に適っていると思うのだが,天邪鬼な自分は他の方法がないものか,と問題発表当時いろいろ考えたものである.

 以下の解法はそんな中発見した方法で,たまたまではあるが3.05と直接比較できたというところが嬉しかった.
 アイデアは23-03の被積分関数が有理式で,これをもとに有理数で23-04の近似ができるんじゃなかろうか,というところからである.
実際には先ほどの式を4倍した23-06を利用する.グラフにしてみると以下のような感じで,色のついた部分の面積が23-04である.
23-05
さて,曲線部分は積分に頼らざるを得ないが,これを台形で近似することを考える.区間の右端23-07での接線は,23-08であることから23-09となる.接線とグラフがy軸上で交わってくれる.
23-11
そこで,23-10を頂点とする台形の面積を計算してみればちょうど3になった.しかしこれだとまだ3.05に届かない.
それならば線分とグラフの間の隙間をもうちょっと削り取って面積を増やせないかと区間を半分に割り,面積をもう少し稼ぐことにした.
グラフ上に23-12をとり,この左側と右側に分けてでそれぞれ台形を作ってみる.ただし,23-13であるので,23-14ではグラフが下に凸になるため,左側は23-15を結ぶ線分23-16で,右側は23-07での接線である23-09を使う.そうすると下のような図ができる.
23-17
そうすると,上の図の黄色い部分の面積が23-18となり,題意が示される.
なんだかものの見事に3.05が得られたんで驚いたが,工夫はしてみるもんだ.
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